みなさん、こんにちは!
ブリュの公式ブログ.comにお越しいただきまして、ありがとうございます。
今回は、令和4年度 第1種電気主任技術者試験に一発合格したことについて、試験対策の方法や、当日の試験の問題選択について紹介します。
電験については、
- 令和4年度 第1種電気主任技術者試験
- 令和3年度 第2種電気主任技術者試験
- 令和2年度 第3種電気主任技術者試験
と、ストレートに合格できました。
目次
学習方法
電験1種について率直な感想ですが、2種の内容を完全に理解していれば、電験1種自体はそんな理難しくないです。
逆に、電験2種の内容がわからないまま、電験2種に偶然、運よく合格したとかいう場合には、電験1種は厳しいと思います。
理由としてですが、電験2種に合格した後に、電験1種 2次試験の問題を解いてみたら、普通に解けました。
さすがに
- 近似式を使えないとかの制約あり
- 問題設定がややこしい
- (電験2種と比較して)なんだかストレートじゃない
などの違いはありますが、突拍子もない問題はないんじゃないかなと思います。
電験2種の内容に自信がない方は、各公式について、導出も含めてベクトル図から完全に理解しておいてください。
図を描かなくても頭の中でベクトル図をイメージでき、おおまかな導出過程が想像できるレベルが理想的です。
難易度として、電験3種と2種の差は非常に大きいですが、2種と1種の差はあまり感じません。
当日の問題選択(2次試験)
電力・管理科目
電験1種 2次試験 電力・管理科目については4問選択しますが、試験戦略として、
- 計算問題3問を確実に得点にする
- 論説問題1問は部分点をもらえたらOK(半分が目安)
といった感じにしています。
もっと言えば、計算2問完答すれば、残りの計算1問、論説1問は半分ぐらい得点になれば合格ラインに乗ります。
上記の試験戦略はかなり一本勝負のように見えますが、試験合格だけに絞るのであれば非常に余裕のある計画になります。
逆に、試験対策で論説に時間をかける意味がなく、1次試験の記憶で半分解答できればOK程度にしないと、試験対策に時間がかかります。
※ただし、計算問題2問を完答するは必須条件です。
電力・管理科目は以下のような選択にしました。
内容 | 形式 | 選択 | |
問1 | 火力発電の進相運転 | 論説 | 〇 |
問2 | 送電線のフェランチ効果 | 計算 | 〇 |
問3 | 変圧器の並列運転 | 計算 | 〇 |
問4 | 電力系統の過渡安定性 | 論説 | × |
問5 | 絶縁劣化試験 | 論説 | × |
問6 | 変圧器のV結線 | 計算 | 〇 |
問1 火力発電の進相運転
問1は火力発電所の進相運転の問題で、教科書的な内容の論述が直球で来た感じです。
発電所の発電機は進相運転や遅相運転を行うことで、電力系統の電圧を一定に保とうとします。
その時に発電機に生じる問題を書くことで、
- 固定子鉄心端部の過熱
- 安定度の低下
などを書いていけばOKです。
限りなく完答できる論説問題が出題されたので、試験開始早々に合格を確信しています。
問2 送電線のフェランチ効果
問2は難しかったですね。
フェランチ効果の計算結果が、値として明らかにおかしく、どこか計算ミスしてます。
ただ、残り2問(問3、問6)の計算問題が完答できていたので、再度検算し、確実に満点にすることに集中しました。
試験中は、1問を解くことに集中するのではなく、確実に合格点に乗せることだけを考えるのがいいです。
問3 変圧器の並列運転
問3は変圧器の並列運転を行い、鉄損、銅損、負荷率の関係から、変圧器が何台の時に最高効率になるかを考えるような問題です。
比較的オーソドックスな問題に感じました。
気を付けるポイントは銅損です。
銅損は電流値の2乗、言い換えれば負荷率の2乗に比例するので、変圧器の運転台数が変化し、それぞれの変圧器の負荷率が変化すれば銅損が変化します。
ややこしい問題ではありましたが、落ち着いて解けば得点になります。
試験センターの回答を確認しましたが、完答できています。
問6 変圧器のV結線
これもオーソドックスな問題ですね。
小問(3)で、単相負荷が進み力率角60°というところで、計算が簡単になる問題でした。
変圧器のV結線は、単相負荷の力率を計算する時の基準電圧は、三相のときより30°進んでいます。
※単相は三相の線間電圧が基準値になるからです。
で、単相負荷が進み60°ということは、三相のベクトル図上で30°+60°=90°となり、ちょうど虚軸成分のみを持つベクトルになります。
V結線の位相関係を正確に理解しておけば、計算自体は非常に簡単な問題でした。
こちらも、試験センターの回答を確認しましたが、完答できています。
機械・制御科目
電験1種 2次試験 機械・制御科目については2問選択しますが、試験戦略として、
- 自動制御で完答する
- 電気機器2問のうち簡単そうな方を回答する
といった感じにしています。
パワーエレクトロニクスは計算がややこしいだけなので、そもそも問題を選ぶ気がありませんでした。
当日の選択は以下の通りです。
内容 | 形式 | 選択 | |
問1 | 同期発電機 | 計算 | 〇 |
問2 | 誘導発電機 | 計算 | × |
問3 | パワーエレクトロニクス | 計算 | × |
問4 | 自動制御(古典制御) | 計算 | 〇 |
問1 同期発電機
電気機器で選んだのが、問1 同期発電機です。
問2 誘導発電機と迷いましたが、誘導発電機は同期速度以上で発電機を回す関係上、滑りがマイナスになるため計算ミスの危険性があり回避しました。
参考に、同期機と誘導機の問題を比較すると、全体的に同期機の方が計算が簡単な場合が多いです(電験2種でも同じ)。
そのため、令和4年 電験1種 機械・制御みたいに、同期機と誘導機が両方出題された時には、まずは同期機から解いてみるのをお勧めします。
電圧変動率102%という結果に違和感がありましたが、正解だったようです。
試験センターの回答を見ましたが、おそらく完答できています。
問4 自動制御
自動制御は理解してしまえば問題は電験1種、電験2種ともにワンパターンです。
電験1種では現代制御理論が出題されることがありますが、基本的には状態フィードバック制御の話なので、やはりワンパターンです。
電験1種を受験する場合、自動制御は確実に満点にしておきたいですね。
試験センターの回答を見ましたが、完答できています。
まずは2種の復習を
電験1種を受験する時、次から次へと新しい知識を得ようとするのではなく、まずは電験2種の内容を確実に理解することが大事です。
遠回りのように見えて、実は近道になっています。
理想としては、電力系統や電気機器について、雑学を語れるレベルが理想です。
まずは、電験2種のときに使用していた参考書をもう一度じっくり見直してみて、電験2種レベルは確実に基礎から理解できている状態を目指してください。
そうすれば、電験1種はそこまで難しくないはずです。
電験1種に合格した筆者が、電験2種向けの計算対策参考書を出版していますので、こちらも参考にしてもらえると幸いです。
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■機械・制御(自動制御 編)
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まとめ
ここまで、令和4年度 第1種電気主任技術者試験の1発合格について紹介してきました。
電験1種は、電験2種の基礎の上にあります。
電験1種に合格するためにも、まずは電験2種の内容を確実に理解してください。
以上、令和4年度 第1種 電気主任技術者試験について、参考になれば幸いです。
本当は書籍を買ってほしいですが、迷っている方は、ブリュの公式ブログ.orgを参考にしてください。
電験1種に必要な内容について、ブログ内でまとめています。
最近は本の執筆に時間をとられていて更新していませんが、今後大幅に更新予定です。