メルセデスAMG A45SとA35の加速性能の違い!日常で乗りやすく静かで低燃費なのはどっちか比較!

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今回は、メルセデス・ベンツAクラスのスポーツモデルである、A45S VS A35と題しまして、日常における扱いやすさを重視して、エンジン性能曲線から動力性能を比較します。

なお、ローンチコントロールをオンにした際のフル加速性能については、「A45SとA35のローンチコントロール時のフル加速性能比較」で紹介しました。

上の記事では、A45Sの方が圧倒的に速いとわかったのですが、日常的なドライブにおいての常用加速ではまた違った見え方があります。

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日常ではA35の方が有利

先に結論を書いておきますと、日常域で性能面で優れているのは圧倒的にA35です。

例えば、信号発進や、一時停止からの再スタートにおいて、軽快に走り出すのは間違いなくA35です。

そして、高速道路の巡行時において、エンジン回転数を低く抑え、太い低速トルクを生かして、トルクフルな走りをするのはA35です。

さらに、A35はA45Sよりも、常時エンジン回転数を低く抑えることができるので、燃費も静粛性もA35の方が優れています。

ローンチコントロール作動時のレースモードでの一発加速や、非日常域の超高速域における加速はA45Sが圧倒的なのですが、日常の走行性能、高速道路も含めて100km/h以下の性能は、A35の方がバランスが取れています。

結局のところ、高出力と実用面での扱いやすさを総合すれば、A45Sが排気量2.0Lということ自体に無理があるように見えます。

これはA45Sの排気量を2.5L程度にまでアップさせれば済むことなのですが、そう単純にはいかない大人の事情も見えてきます。

では、エンジン性能曲線などの各種スペックを基に、この結果が出るまでの経緯を紹介します。

メルセデスAMG A45SとA35のエンジン性能比較

では、メルセデスAMG A45SとA35のエンジン性能を比較します。

メルセデスAMG A45S

直列エンジン4気筒 2.0L ターボ

最高出力:310kW(421PS)/6750rpm

最大トルク:500Nm(51.0kgf・m)/5000-5250rpm

メルセデスAMG A45Sのエンジン性能曲線がこちらです。

メルセデスAMG A35

直列エンジン4気筒 2.0L ターボ

最高出力:225kW(306PS)/5800rpm

最大トルク:400Nm(40.8kgf・m)/3000-4000rpm

メルセデスAMG A35のエンジン性能曲線がこちらです。

低速トルクはA35の方が優れている

A45SとA35のエンジン性能曲線を重ね合わせると、下の図になります。

下の図から、高回転域になればA45Sの方が馬力が上回っているのですが、3000rpm以下の低回転域ではA35の方が馬力が大きいです。

車のタイヤに伝わるトルクは、エンジントルク×ギア比で決まるのですが、

$$加速力=エンジントルク×ギア比$$

を書き換えると、

$$加速力=エンジントルク×\frac{エンジン回転数}{タイヤ回転数}$$

となり、エンジントルク×エンジン回転数はある定数のもと比例関係にあるので、

$$加速力=定数×\frac{エンジン出力}{タイヤ回転数}$$

となります。

車の加速は馬力化トルクか

ここでタイヤ回転数は、車速に応じて一意に決まるので、加速力に変動を与える要素は出力、つまりは馬力であり、馬力の大きいほうが発揮できる加速力が大きい、つまり余力があることになります。

上のグラフからわかることは、A35は3000rpm以下の領域においてA45Sの動力性能を上回っています。

市街地走行の場合

街中を走っているとき、信号発進でアクセルを踏みました。

この時、エンジン回転数を3000rpmも回すでしょうか?

さらには5000rpm、6000rpmと回すこともありません。

そうなると、市街地走行では3000rpm以下の馬力の出方が重要になるのですが、A35が優れています。

よって、A35の方が、市街地走行において軽快な走りが可能です。

比較すれば、A45Sの市街地走行はモッサリした加速になります。

高速道路の巡行時

高速道路を巡行する際、車は様々な抵抗を受けながら走っています。

空気抵抗が代表例ですね。

また、上り坂では速度を維持するために、エンジンには多少なりとも負荷がかかっています。

そこで、高速道路を巡行する際のエンジン回転数を想像していただきたいのですが、普通は3000rpmも回しません。

市街地走行と同じで、3000rpm以下の動力性能はA35の方が優れています。

これは、同じだけの負荷を必要とする場合、A35の方が、

  • 巡行時にエンジン回転数を低く抑えられる(静か&燃費がいい)
  • アクセルの踏み込み変動が減る(太いトルクで坂を楽に登れる)

という形で現れます。

これに対し、A45Sは、エンジン回転数はA35よりも高めに維持しないと同じだけの動力性能は発揮できません。

よって、A45Sは煩く、燃費も悪くなります。

高速道路の追い越しなど

高速道路の追い越しなどで、エンジンパワーが必要になる場面を考えてみましょう。

高速道路で追い越し車線に出るときは、アクセルを踏み込んでエンジン回転数を上昇させます。

よって、動力性能の優劣の境目になる3000rpm以上で加速することになります。

こうなると、圧倒的にA45Sの方が速いです。

A35は、低回転域でA45Sより動力性能が優れていた分、加速の伸びに頭打ちを感じやすいでしょう。

A45S VS A35 動力性能の比較

結局、A45SとA35について、日常用途における動力性能をまとめると、

  • 市街地で軽快に走るのはA35
  • 高速道路の巡行時に静かなのはA35
  • 燃費がいいのはA35
  • 高速のフル加速で速いのはA45S

となり、日常用途では総合的にA35の方が優れています。

A45Sの本当の性能が発揮できるのは、制限速度を大幅に超える領域やサーキット走行などです。

日常用途を重視して車を選んでいるにもかかわらず、カタログスペック的に優れているA45Sを選ぶと、ミステイクになってしまいます。

意外にも当たり前の結果

これ、意外にも当たり前の結果となっています。

理由としては、高回転型エンジン化、低回転型エンジン化の違いが明確だからです。

ターボラグが存在する

A45SとA35の性能の違いはあっても、結局はどちらも2.0Lエンジンです。

どちらもターボ車なわけですから、ターボラグが発生します。

トルクの発生はエンジンの吸気量に依存し、ターボ車の吸気量においてはターボチャージャーの動作状況に依存します。

そして、最大トルクが太い車は、大型のターボチャージャーが搭載されており、慣性モーメントが大きくなることは容易に想像できます。

すると、停車時に機能していないターボチャージャーを、エンジンの回転数上昇とともに起動させていくわけですから、ターボがOFFからONに推移していく過程がターボラグとなって生じることになります。

その結果、ターボラグの考慮に関しては、

  • 排気量の小さいターボ車ほど不利
  • 最大トルクの太いターボ車ほど不利

となるわけです。

ターボラグを減らすには、

  • 排気量を拡大する
  • 最大トルクを抑える

のどちらかが必要になります。

A45SとA35の単純比較

A45SとA35の性能を単純比較すると下の表になります。

メルセデスAMG A45S メルセデスAMG A35
排気量 2.0L 2.0L
最大トルク 500Nm 400Nm

この結果、A45Sの方が不利、A35が有利であることは容易に想像できるでしょう。

排気量が両方とも2.0Lなのに、A45Sの方が最大トルクが太いですから。

C43とA45Sの単純比較

別の例として、メルセデスAMG C43とA45Sを比較してみましょう。

メルセデスAMG C43 メルセデスAMG A45S
排気量 3.0L 2.0L
最大トルク 520Nm 500Nm

この例では、最大トルクはC43もA45Sもほぼ同じですが、A45Sの排気量が2.0Lに対して、C43の排気量は3.0Lです。

これより、ターボラグを低減するには排気量を拡大するという条件を満たしていることから、C43の方がターボラグは少なく、出足からスムーズな加速を行うことになります。

高回転型エンジンと低回転型エンジンのトルクの外形の違い

車のエンジンの特性として、低回転型エンジンを設計すれば高回転で出力が出ません。

一方、高回転型エンジンを設計すれば、低速トルクは細くなります。

この理由として、車のエンジンについては吸排気系の設計も含めて、狙ったエンジン回転数に対して最適な設計が行われるというのがあるからです。

これによって、闇雲に高出力化を行うと、低速トルクが細くなってしまい、日常域において頼りない性能のエンジンとなってしまいます。

A45SとA35のエンジン性能曲線を見ていると面白いのが、アイドリング時のトルクです。

アイドリング状況において、A45SのトルクはすでにA35より下です。

したがって、A45Sのエンジンは高回転に最適化されてりることがわかる部分となります。

A45Sは排気量2.0Lの縛りが厳しくなっている・・・!

結局のとこと、A45Sは走行性能は高いのですが、2.0Lという縛りからアンバランスな特性の車となっています。

A45は世界最強の4気筒エンジンを謳っているわけですから、過度な大排気量化はできません。

しかし、4気筒エンジンの限界ラインとして、A45Sの排気量を2.0Lから2.5Lにでもアップさせれば、もう少し日常でもマトモな性能が発揮できるように思います。

過去の例としては、レクサス RX270が、直列エンジン4気筒の2.7Lエンジンを採用していましたから、この辺りまでは拡大できるのかな・・・?

この辺りはメルセデスのブランドイメージとして、2.0Lを守るという営業戦略の意味が強いのかもしれません。

2.0Lのターボ車となると、日本国内だけでも、一般的にインプレッサと呼ばれているWRX STIや、生産終了となったランサーエボリューション等のスポーツモデルが該当し、ドイツ車でみればゴルフRなどが存在しています。

この激戦の2.0Lのスポーツカーに対抗するために、ある意味メルセデス・ベンツのプライドが強いのでしょう。

また、スポーツモデルとして定評のあるモデルよりも圧倒的なスペックを誇ることで、メルセデス・ベンツ、さらにはAMGの技術力を誇示する意味合いも大きいでしょう。

排気量を拡大すれば済む話のところを、2.0Lにこだわっている関係上、性能だけではない大人の事情が見え隠れしています。

まとめ

ここまで、メルセデスAMG A45S VS A35として、日常域における加速性能の比較を行ってきました。

日常域の動力性能に関しては、完全にA35の方が優れています。

その理由としては、A35の方が低速トルクが太く、発進時や高速道路の巡行時に多用する領域においての性能が優れていることを説明しました。

そして、A45Sの加速性能が著しく低下する理由として、

  • ターボラグの影響
  • 高回転型エンジンの影響

を紹介しました。

これらの問題を解決するには、A45Sの排気量を拡大するしかありません。

自動車は工業製品でもあり、同時に経済を回す商品に過ぎないという側面もあります。

工業製品としてより良いものが作れる場合でも、ブランドイメージや商品イメージなどの経済的側面から、必ずしも工業製品としての100%として開発されていない場合もあります。

こうした、大人の事情が垣間見えてくるのも、面白い点ですね。

以上、メルセデスAMG A45S VS A35について、参考になれば幸いです。

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