50年目を迎えた、フォード マスタング。
新開発の縦置き直4 2.3Lエコブースト。
エコと言う名のターボエンジンでありながらも、世界的に見て高性能な部類のエンジンではないかと思いました。
世界の様々なクルマと比較しながら、マスタングの性能を見ていきましょう。
目次
フォード マスタング EcoBoost 基本情報
全長:4790mm
全幅:1920mm
全高:1380mm
エンジン 直列エンジン4気筒2.3Lターボ(EcoBoost)
最高出力:314PS/5500rpm
最大トルク:434Nm/3000rpm
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン
※エンジンスペックは、ハイオクを使用した際に発揮される数値です。
トランスミッション フロア6AT
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク(対向4ポッド)
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
フロントサスペンション:マクファーソンストラット
リアサスペンション:マルチリンク
エンジンスペック
Webカタログにも書いてますが、
記載のエンジンスペックは、無鉛プレミアムガソリンを用いた場合です。
マスタングのエンジンについて、単純に出力を排気量で割ったリッター馬力を見ると、
314÷2.3=136.52PS/L
となります。
スポーツエンジンの境目として、リッター100馬力を超えているのが目安と言われているので、分類上はスポーツエンジンになります。
なお、最近はダウンサイジングターボが流行しており、ターボ搭載によってリッター100馬力は意外と超えてるエンジンは多いです。
それらのダウンサイジングターボエンジンまでもスポーツエンジンと言うのかは微妙な面もあり、結局は個人の感覚によるものとなります。
ただし、300馬力を超えているマスタングのエンジンは、日常用途ではオーバースペックなエンジンなので、エコなエンジンと感じる人は少ないでしょう。
リッター100馬力を超えていることと、一般的な感覚として300馬力を超えているハイパワーエンジンであることを考えると、完全なスポーツエンジンといえます。
マスタングの足回りの進化
2015年モデルのマスタングからは、足回りが大きく進化しました。
先代マスタングはソリッドアクスルでしたが、
今回は左右独立高架のマルチリンクになっています。
サーキットでのチューニングにはソリッドアクスルが適しているらしいですが、
欧州のアウトバーンなどでの高速走行での操縦安定性を確保するためにマルチリンクにしたそうです。
フォードはヨーロッパでも車を生産しており、アメ車でありながらもこうした欧州の流れを察知できることが強みとなっているようです。
スバルと比較する
さて、300馬力を超えているマスタングのエコブーストエンジンは、やはりスバルと比較したくなりますね。
スバルも2.0Lクラスで300馬力オーバーのエンジンを有しており、リッター出力は全自動車メーカーの中でも大きい方になります。
マスタングのリッター馬力は136.52PSです。
まずはスバルの細心のエンジンと比較してみましょう。
WRX STI EJ0型ターボ:308PS
WRX STIの場合にはリッター馬力は152馬力になります。
レヴォーグ2.0GT系/WRX S4 FA20%quot;DIT”:300PS
レヴォーグ2.0GT系やWRX S4に搭載されているFA20″DIT”のリッター馬力は150馬力になります。
スバルの最新型エンジンにはちょっと届かないぐらいのリッター馬力です。
一方、つい最近までスバルに搭載されていたターボエンジンと比較してみましょう。
WRX STI A-Line EJ25型ターボ:300PS
WRX STI A-Lineのリッター出力は120馬力です。
レガシィ 2.5GT系 EJ25型ターボ:285PS
レガシィ2.5GT系のリッター馬力は114馬力になります。
つまり、一世代前のスバルのスポーツエンジンよりかも、はるかに高出力です。
マツダと比較する
次に、マツダのスポーツモデルと比較しましょう。
今のマツダはディーゼルエンジンのイメージが強いですが、少し前まではハイパワーターボエンジンを開発していました。
マツダスピードアクセラ:283PS
マスタングとマツダスピードアクセラは共に2.3Lターボエンジンですが、エンジン出力はマスタングのほうがはるかに上です。。
マスタングのエンジンは、国産スポーツカーと比べてもそん色ないレベルまでの高性能です。
こうした比較をしていくと、アメ車は燃費が悪くて走らないというイメージを払しょくする一台になるのではと思っています。
三菱と比較する
ランサーエボリューションX::300PS
スバルの比較と同じように、ランサーエボリューションのほうが高性能です。
国産ターボと比較して
今回は単純な馬力の比較のみを行っていますが、単純にリッター馬力だけで比較しても、国産スポーツモデルと遜色ないレベルであることがわかっていただけたと思います。
単純なリッター馬力のみの比較ですが、現実のエンジンとなると、WRX STI等が2.0Lターボであるのに対し、マスタングが2.3Lターボであるという、排気量の差がプラスに効いてきます。
ご存知の通り、ターボチャージャーは排気ガスで回転するものなので、排気ガスが増える大排気量エンジンのほうが適しています。
マスタングはわずか300ccだけ排気量が大きいのですが、300ccと言っても一分間に数千回転するエンジンにとっては、排気量の差も大きくなります。
つまり、低回転からしっかりとターボが働くので、ターボラグを感じにくく、太いトルクを感じることができます。
アメ車はもともと大排気量エンジンを搭載しており、大排気量のスポーツエンジンに置き換わるダウンサイズんぐターボのスポーツエンジンと見るのであれば、マスタングのエンジンのキャラクターが見えてくるでしょう。
国産のターボモデルとは違った、穏やかながらもその気になればグイグイ加速する走りを愉しめます。
まとめ
今回は、2015年モデルのフォード マスタングについて、性能を見てきました。
単純なリッター馬力による比較の結果、最新型の国産高性能ターボよりもリッター当たりの発生パワーは落ちますが、
それに匹敵するレベルの出力を誇っていると言えます。
また、排気量に300ccの余裕を持たせたことで、従来のアメ車のような大排気量エンジンに近い乗り味もキープしていることがわかっていただけたと思います。
ダウンサイジングの燃費への影響は大きく、ターボ搭載により高出力化していても、信号待ちではターボのない自然吸気エンジンと同等の燃料しか消費しません。
信号や渋滞の多い日本では、ダウンサイジングターボの恩恵を最大限に受けることができます。
アメ車に乗りたいけど、燃費が悪いだろうからと思い敬遠していた方も、一度マスタングを検討してみるのもいいと思います。