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シビックタイプRとWRX STIの加速性能比較
(6.MT車の加速力を最大にするクラッチのつなぎ方)

ホンダ渾身のシビックタイプRとスバルの象徴WRX STI。

320PSのハイパワーのFFと、308PSの安定性のAWD。

エンジン性能に着目して、加速性能を比較してみました。

今回はMT車ということで、AT車にはないクラッチミートの瞬間までを考慮します。

内容が多く、かなり長編の傑作になりますが、少しずつ解明していきましょう。

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シビックタイプRとWRX STIの加速性能比較

ホンダ渾身のシビックタイプRとスバルの象徴WRX STI。

320PSのハイパワーのFFと、308PSの安定性のAWD。

エンジン性能に着目して、加速性能を比較してみました。

今回はMT車ということで、AT車にはないクラッチミートの瞬間までを考慮します。

内容が多く、かなり長編の傑作になりますが、少しずつ解明していきましょう。

今回は、MT車のMT車の加速力を最大にするクラッチのつなぎ方について説明します。

概要とMTの加速性能比較の難しさについては、

1.概要とMTの加速性能比較の難しさ

AT車の加速性能が馬力によって決定される理由は、

2.AT車の加速性能が馬力で決定される理由

エネルギー保存則からのエンジン伝達出力の計算は、

3.エネルギー保存則からクラッチの接触によるエンジン出力伝達量の計算

トルク計算からクラッチの接触によるエンジン出力伝達量の計算については、

4.トルク計算からクラッチの接触によるエンジン出力伝達量の計算

エンジン出力をクラッチの変数で表す計算については、

5.エンジン出力をクラッチの変数で表す

をご覧ください。

シビックタイプRとWRX STIの加速性能比較

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滑りを考慮すると、トルク曲線が見えてくる。

先ほど定義した滑り、
エンジン出力にかけてみましょうか。

タイヤへの伝達馬力=エンジン発生馬力×滑り
=エンジン発生トルク×エンジン回転数×クラッチ出力回転数÷エンジン回転数 =エンジン発生トルク×クラッチ出力回転数
となり、トルクが全面的に出てくるのです。

つまり、シビックタイプRも、WRX STIも、停車状態でクラッチミートした場合、
エンジン回転数は、最大トルク発生系点数になるのが理想です。

つまり、レブリミットまで回すだけ回していて、
一気に半クラッチでつないだ瞬間に、最大トルク発生回転数を維持するのが理想です。

いつになったらエンジン回転数を上げるか?

トルクなのか、出力なのかややこしくなってきてますが、
最大トルクが重要なのか、最高出力が重要なのかの境目は、
滑りが0になった瞬間なのです。

つまり、クラッチが完全につながっ時、
もっと言えば、クラッチ出力回転数が、エンジンの最大トルク発生回転数と同期した瞬間からは、
最高出力が生きてきます。

ややこしいので、タイプRの場合で具体的に見ていきましょう。

タイプRのエンジン性能は、
最高出力:235kW(320PS)/6500rpm 最大トルク:400Nm(40.8kgf・m)/2500-4500rpm
となっていて、エンジン性能曲線は次の図になります。

シビックタイプRとWRX STIの加速性能比較

クラッチの出力回転数が1rpmの時

さすがに0rpmではエンストしてしまうので、
1rpmとしてみてみましょう

エンジンの出力曲線に対して、
エンジン出力×滑り
すなわち、
エンジン出力×1÷エンジン回転数
のグラフが次のようになります。

シビックタイプRとWRX STIの加速性能比較

グラフを見てもわかるように、
最大トルク発生回転数が見事に反映されいます。

つまり、レブリミットまで回し切った後のクラッチミ−トの瞬間に、
エンジン回転数が2500-4500rpmの間に収まるような繊細なクラッチ操作が必要になります。

クラッチの出力回転数が500rpmの時

次に、もう少し加速して、
クラッチ出力回転数が500rpmの場合を見てみましょう。

計算方法は同じです。

シビックタイプRとWRX STIの加速性能比較

やはり、最大トルク回転数2500-4500rpmでの加速が最も良いことになりますね。

クラッチの出力回転数が4500rpmの時

では、クラッチ出力回転数が4500rpmになったときはどうでしょうか?
計算方法が同じですが、注意が必要です。

滑りをクラッチ出力回転数÷エンジン回転数と定義したので、
滑りは必ず1以下でないとだめです。
もし滑りが1以上なら、それはエンジンよりもクラッチが高速回転していることになり、条件的に適しません。

つまり、4500rpmの時点では、4500rpm未満のエンジン回転数は適さない答えとなります。

そこで、4500rpm以上の回転数のみでグラフを描くと次のようになります。

シビックタイプRとWRX STIの加速性能比較

この時点でも、やはり最大トルク発生回転数が効いてきます。

クラッチの出力回転数が6000rpmの時

最後に確認で、6000rpmの時も考えます。

4500rpmの時の結果と同じように、6000rpm以降のみが条件的に適する範囲となります。

今までの最適解は、最大トルク発生回転数でしたが、
今回考える6000rpmは、
もう、最大トルク発生回転数は超えています。

するとどうなるでしょうか?

その時のグラフは次のようになります。

シビックタイプRとWRX STIの加速性能比較

グラフからわかるように、6000rpmという答えが見えます。

つまり、滑りは0ですね。

最大トルク発生回転数を越えれば、
滑らさずに加速するほうが加速性能はよくなります。

MT車の最大加速力

今までの考察をすべてまとめると、
クラッチ出力回転数が、最大トルク発生回転数以下であれば、
最大トルク発生回転数で滑らせながら加速する。
一方で、クラッチ出力回転数が、
エンジン最大トルク発生回転数に追い付くと、
滑らさずに加速させていくことがいいとわかります。

言い換えれば、滑りがないということは、AT車と同じで、
馬力曲線によって加速力が決定されます。

これにより、MT車特有のクラッチの滑りを考慮した加速性能の検討が行えるようになりました。

なお、最高速に関しては、馬力で決定されます。
最高速の話なので、
クラッチ出力回転数は、最大トルク発生回転数を優に超えます。
よって、最高出力発生回転数が最高速になります。

MT車の加速性能比較の要点

結局のところ、MT車の加速性能を比較するには、
クラッチ滑りありの領域では、最大トルク。
滑りなしでは出力曲線に従います。

もっとまとめると、
MT車の加速性能の指標は、
最大トルクと、最大トルク以降の出力曲線
で決定されるといえますね。

シビックタイプRとWRX STIの加速性能比較

シビックタイプRとWRX STIのエンジン特性の比較

ここでざっくりとした比較を行うと、
最大トルクではWRX STIが有利。
最大トルク発生回転数以降の出力曲線はタイプRが有利です。

つまり、WRX STIは瞬発力があります。
シビックタイプRは伸びがあります。

次回へ

次回は、シビック タイプRとWRX STIの最大加速性能曲線から、両車種の加速性能と特徴を考えます。

7.最高加速性能の曲線で比較する。

前の記事:5.エンジン出力をクラッチの変数で表す

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