スバルのダクト(エアインテーク)の必要性について考えてみました!
意味がある!
意味がない!
様々な意見が飛び交っていますが、ちょっと考察してみました。
目次
ボンネット上のエアインテークからの吸気はできない?
ボンネット上のエアインテークからの吸気は可能です。
誰の目から見ても、フロントガラスは走行風を受けて圧力が高いことは自明です。
正面から受ける空気の流れを見た場合、ボンネットのエアインテークは、サイドから見るとフロントガラスと同じ立場にあるので、冷却効果は期待できます。
簡単に図を用いて説明していきましょう。
こちらが、説明用のWRX STIの画像です。
赤い部分が高圧になる部分です。
走行風をダイレクトに受ける部分と言えるでしょう。
エアインテークは赤い部分になります。
フロントガラスが正圧なら、エアインテークも正圧になるでしょう。
前後の位置関係の違いだけで、走行風を受けるときの立場は、エアインテークもフロントガラスも同じだからです。
したがって、冷却用の外気は取り込めています。
「エアインテークが空気抵抗になる」なら正論
もちろん、エアインテークにデメリットがないわけではありません。
エアインテークは空気抵抗になるのは確かです。
空気抵抗は、速度が同じなら正面から見たときの面積で決まります。
つまり、空気抵抗を受けるということは、それだけ多くの空気とぶつかっているため、冷却用の空気を吸い込むという目的は達成しています。
したがって、ボンネット上のエアインテークから吸気できないというのは完全に間違いです。
WRX STIを正面から見た場合、エアインテークの正面からの面積が大きいことは一目瞭然です。
多少の空気抵抗が増えながらも、よりパワーアップできるというのなら、十分メリットのあるものであり、そのあたりは開発陣の判断次第でしょう。
余談:水冷インタークーラーのほうが冷える?
インタークーラーには空冷式と水冷式があります。
空冷式は外気で直接冷やし、水冷式は冷却水によって冷却を行います。
ここで、外気と冷却水では、どっちのほうが冷えやすいか?という話にも発展する可能性がありますね。
普通で考えれば、同じ温度であれば水のほうが冷えます。
しかし・・・
外気温と冷却水の水温が同じになるでしょうか?
水冷インタークーラーの場合には、圧縮空気自体は冷却水で冷やしますが、冷却水は結局外気で冷やしています。
例として、外気温20℃のときに、熱を吸収した冷却水を20℃まで冷やすのは不可能でしょう。
熱いお茶を室温で放置しても、温度が下がるのには時間がかかります。
つまり、ここでの冷却性能の議論においては、外気温と冷却水の水温を同じ温度で比較すること自体がナンセンスです。
水冷インタークーラーの最大のメリットとしては、冷却の過程で冷却水を経由することで、外気温変化の変動を受けにくくなり、冷却性能が安定することです。
一概に水冷のほうが冷えるということはありません。
まとめ
ここまで、スバルのダクトは必要?について、簡単にまとめてきました。
簡単にまとめます。
1.ボンネット上のエアインテークからは吸気できない?
フロントガラスが空気抵抗による圧力を受けるように、同じ条件であるエアインテークは、正面から見たときの面積分の空気抵抗を受けます。
したがって、走行風を取り込み冷却に使うことは可能です。
2.余談:「インタークーラーは空冷より水冷が優れているの?」について
冷却能力に関しても、水冷と空冷では本質的に差はないです。
冷却性能を語る上で、水冷インタークーラーの冷却水の水温と、空冷インタークーラーの外気温を同じ温度で比較することがナンセンスです。
空冷式は直接外気で冷やす。
水冷式は冷却水を経由して外気で冷やすだけであって、結局は外気で冷やします。
水冷式のほうが、冷却水を間に挟むことで外気温の変化の外乱を受けにくいため安定した冷却が可能です。
逆に、冷却水を瞬時に外気温まで冷やすことはできません。
現実的に、熱いお茶が一瞬で室温と同じになることはないのですから。
以上、スバルのボンネット上のエアインテークは必要です。
この記事が、何かの参考になれば幸いです。