みなさん、こんにちは!
ブリュの公式ブログ.comにお越しいただきまして、ありがとうございます。
今回はハイオクの混合出荷問題について思ったことを書きます。
毎日新聞が大スクープで報道したハイオクの混合出荷問題。
私自身は、ずっとシェル V-Powerを給油していたので本当の意味で被害は受けてはいませんが、業界全体が信用できないので、もうハイオクの銘柄にこだわるのは止めようと思っています。
存在するかも怪しいハイオクの付加価値に頼らず、添加剤等で自衛したほうが確実です。
※上の写真も、出光で給油しているものです。
ハイオク混合出荷の件については、いろいろ考えてきましたので、考えをまとめたいと思います。
このハイオク混合出荷問題に対して、
- 技術的に問題がないから大した問題では無い
- 車のガソリンタンクで混ざるから問題は無い
- 自社ブランドの基準は満たしていたから問題は無い
と書いているもの、これらは全部的外れな意見です。
※本文中でも触れているのですが、Responseの記事が妙におかしいです。
こういう意見をもっともらしく書いている方々は、本当の問題が見えていないですよね。
ハイオク混合出荷の本当の問題点
私が思うに、今までのハイオクは付加価値で勝負していました。
だから、多少高くても銘柄にこだわる人がいる。
そのため、
- 価格が高くても
- 希望する銘柄を給油できるガソリンスタンドが遠くても
ハイオク銘柄の付加価値に、それ相応の価値があれば(あるいは価値に納得すれば)売れるのがハイオクでした。
しかし、ふたを開ければ混合出荷され、どこも同じハイオクでした。
この時点で、「金銭面」や「労力」に対する「裏切り」や「嘘」といった消費者からの厳しい意見は避けれないでしょう。
今後のハイオクは安売り競争に
そして、どこで給油しても同じハイオクとなれば、単なる安売り競争になる。
当然、まったく同じものであれば、わざわざ高いのを買いたい人は、ほんの一握りもいないでしょう。
そして、安売り競争に陥ると、業界レベルでの衰退が早いです。
コストダウンにコストダウンを重ねる・・・
別業界ですが、格安SIMなんてまさに安売り競争の典型例でしょう。
契約が異なっても、商品として「まったく同じもの」が供給されるという意味では、電気やガスの自由化にも近い部分があるかもしれません。
もはや「安さ」以上の価値がないハイオク。
ここまで落ちぶれた石油業界の闇は深いですね。
(いまだに正当化しようとしているのがタチが悪い)
目次
ハイオクの混合出荷問題
ハイオクの混合出荷問題の概要
ハイオクの混合出荷問題は派手でしたね。
ハイオクを混合して販売したからと言って、日産やスバル、スズキの不正検査問題のように、安全性に関わったり、明示的に法律に触れる問題でもないのでそこまで大きくは取り上げられていないようです。
しかし・・・
独自の性能を宣伝していたこと
出展:毎日新聞
独自ルートで供給されていること
大手3社の社長らが会長と副会長に就く「石油連盟」も今年6月に削除するまで、ホームページで公開する消費者向けパンフレットに「ハイオクなど各社が独自技術で開発した高品質製品は独自ルートで供給されている」と記載。ほとんどのスタンドは混合出荷やバーター取引を知らずに販売し、資源エネルギー庁も取材に「独自製品と認識している」と答えていた。
出展:毎日新聞
この2点について、もう完全に嘘をついています。
このハイオク混合出荷の実態としては、もはや、
- エネオス
- 出光
- コスモ石油
- キグナス
- 太陽石油
は混合出荷。
コスモ石油とキグナスに至っては説明文を訂正する始末。
唯一救いようがあるのは太陽石油で、太陽石油だけは大々的にハイオクの性能について特に宣伝していなかった点か。
シェル V-powerだけは混合出荷を否定したが・・・
このハイオク混合出荷問題について、白となったのはシェル V-Powerのみ。
そのシェルも、今は出光に買収され、2021年4月までには消滅します。
V-Powerがどうなるのかはわかりませんが、ハイオクの銘柄にこだわるという意味では、もはや先行きは暗いです。
結局どこも同じなら、安いところで入れたほうが得ですし、存在しない付加価値に対してお金を支払っていたんですから、大問題です。
ハイオクに関して、付加価値を売りにしていた石油業界全体に対しての不信感は払しょくできないでしょう。
参考:ハイオクガソリン虚偽記載 GS激減から石油元売り統合まで「激震のGS業界の今を追う!」
Responseの記事がおかしい
Responseの記事がどうにも違和感があります。
なんだか「そういう問題じゃないんだよね」って感じの記事だったので、ここで取り上げておきましょう。
参考:ハイオクガソリン問題、バーター取引はなにがいけないのか?…消費者庁も動いた
Responseの下の記事の趣旨としては、
- 技術的に問題は無い
- どのみちガソリンタンク内で混合されるんだから問題ない
- ちゃんと説明すればいい話
ってことでした。
一応は、石油業界が悪い理由としては、
景表法の問題や道義的な問題とは切り離して考える必要がある。消費者にそれを周知してこなかった、あるいは周知が不十分だったのも事実だ。問題がないので説明しない、ではなく、問題がないからこそ正しく説明すれば消費者の理解が得られるものだ。
って書いてますが、これはさすがに論点がおかしいですよ。
問題がないことは無いです。
だって「ガソリンの各社」が「他社に対しての付加価値」を意図的に売りにしてたんですから。
また、「意図的に」他社との差を示していないと言い訳するのであれば、「十分勘違いさせるだけの表現」が行われていたのですから。
独自ルートで供給してるって嘘をついてたのですから。
Responseの記事の筆者としては、石油業界と消費者の間で中立的な位置を保ちたいのでしょうけど、さすがに無理があります。
これは100%石油業界が悪いです。
WEBCAR TOPはマトモな文章
一方のWEBCAR TOPは消費者に近い解釈の文面であり、賛同できる面も多いです。
この記事は、2020年4月の記事、つまりハイオク混合出荷が報じられる前の記事です。
→V-Powerにスーパーゼアス! ハイオクにはかっこいい名前が付くのにレギュラーが名無しのワケ
下の文章は、上のリンクのWEBCAR TOPからの引用です。
ハイオクガソリンは、JIS規格でオクタン価は96.0以上(レギュラーガソリンは89.0以上)という規定はあるものの、プレミアムガソリンにふさわしい特色を、ブランドごとに工夫している。
すごく消費者の認識と近い見解です。
記事内容的にはResponseよりWEBCAR TOPの方が信用できますね。
「技術的に問題がない」は的外れ
そもそもですが、技術的な問題と商品の性能説明の虚偽問題については別件として扱うべきです。
何度も書いていますが、今までのハイオクの商品価値は洗浄剤に代表される付加価値でした。
その付加価値が嘘だったのですから、小さい問題とは到底言い切れないです。
今までハイオクには、ハイオクとしてのオクタン価の保証に加えて、添加剤としての付加価値を勘違いさせるような表記が行われていました。
その結果、ハイオクの銘柄にこだわる人はいますし、わざわざ高くても銘柄にこだわって給油していた人も多くいるはずです。
エンジン洗浄効果に関して、本当に洗浄剤が添加されていれば、長期的な目線でみれば効果はあるはずです。
そのエンジンの汚れを軽減するために、わざわざ銘柄にこだわって
- 他社より高いハイオク
- 自宅から遠いところにあるガソリンスタンドのハイオク
を給油していたわけです。
そのために、こだわりのある消費者は、
- 金銭面
- 時間
- 労力
のコストをかけていたのです。
これが実在しないとなれば、厳しい意見が飛んでくるのも避けれません。
実在しない付加価値に対してコストをかけていたのですから、技術的問題と並列して取り上げることが間違いです。
問題の本質を理解していない典型例です。
「ガソリンタンク内で混合されているから問題ない」は的外れ
「普通はハイオクの銘柄にこだわらないから、どの道ガソリンタンク内で混合されるから問題ない」というのも的外れです。
技術的にみれば正しいですよ。
ただ、高くても銘柄にこだわる人はいたわけですから、そこのところは別問題。
ガソリンスタンドのガソリン価格なんて、近隣でもやっぱり差はあります。
フルサービスか、セルフかによっても差があるわけで、銘柄にこだわるなら高くてもフルサービスに行くわけですよね。
無意味なもの、存在しないものに対価を支払っていた。
やはり混合出荷の件に関して、技術的な問題を並列して取り上げること自体がナンセンスです。
仮にリッター10円の差。
50L給油しても500円の差。
一回一回は微々たる差。
これが全国各地で発生すれば、虚偽の記載でどれほど荒稼ぎしていたことか。
「自社ブランドの基準は満たしていたから問題ない」は的外れ
ガソリンスタンドでハイオクを見ると、
- V-Power(現在のところ混合出荷無し)
- ヴィーゴ
- スーパーゼアス
- スーパーマグナム
- α-100
など、独自の商品名で展開していました。
そして、それぞれが、独自の付加価値を前面に押し出していました。
WEBCAR TOPがいうブランドごとの工夫ですね。
それが、混合されていて他社と同じ。
じゃあ、その自社基準って何なの?
結局単なるハイオクじゃん・・・
ってなりますよね。
その自社基準が、他社に対する優位性やブランドごとの工夫なのでしょ?
もう、業界レベルで根底から崩れています。
備考:エネオス ヴィーゴも混合していたんじゃ・・・?
エネオスは、2018年にヴィーゴの販売を終了しています。
ヴィーゴは、クリーンアップ効果を特徴とするハイオクでした。
ヴィーゴの販売終了後は、キープクリーン効果を持ったENEOSハイオクガソリンを販売しています。
クリーンアップ効果:洗浄効果が高く、使えば使うほどエンジンが綺麗になる効果
キープクリーン効果:ハイオク燃焼時の汚れを除去し、新たな汚れの付着を抑える効果
みなさんは、
- 混合出荷を行うために独自開発のヴィーゴを維持できなくなった
- そろそろ混合出荷がバレそうでヤバいからヴィーゴの販売を終了した
どっちだと思いますか?
ハイオクの混合は、20年前から行われていました。
問題発覚が2020年ですから、だいたい2000年ごろからですね。
そして、ヴィーゴの販売期間が2002年~2018年。
ん~、、、怪しい・・・
今更、どれだけ調べても表にならないでしょう。
真相は闇の中へ・・・
まとめ
ここまで、ハイオクの混合出荷問題について思ったことを書いてきました。
ハイオクの混合出荷問題は、日産やスバル、スズキの車の完成車不正検査問題みたいに、何か明示的に法律に違反していたり、安全性に影響を与える問題ではないので、まぁ、なんだかんだと言い訳をして逃げるのでしょう。
正直、どこのハイオクも信用できないです。
唯一混合出荷を行っていないシェル V-powerも、シェル自体が出光の傘下になったことから、今後はどうなるか全くの不透明です。
信頼できるガソリン添加剤を探すなど、エンジン洗浄に関しては自衛したほうがいいでしょう。
もはや、ここまで落ちぶれた石油業界のハイオクなんて、車が壊れない程度の質(オクタン価96.0以上)あれば、あとは安いのを購入したほうが賢い気がします。
だって、それ以上の価値は無いですから。
価格だけではなく、付加価値も含め、単に価格だけではない競争があったハイオクを、単純明快な価格競争に陥れた石油業界の闇は深いです。
単なる価格競争に陥れば、販売価格を下げれる、つまり単に資金のある会社だけが残ります。
商品の戦略も、コストダウンが最優先・・・
その上で20年間も嘘を重ねた荒稼ぎ・・・
石油業界の衰退も、もう目の前でしょう。
以上、一意見として参考になれば幸いです。