歴代レガシィとアテンザの比較。レガシィ B4国内生産終了でアテンザターボがレガシィを超える瞬間。

歴代レガシィとアテンザの比較を行いました。

レガシィの登場によるステーションワゴンブームによるレガシィの発展と、レガシィのツーリングワゴン廃止、ターボ廃止などによる衰退。

マツダスピード・アテンザの登場とレガシィの影にいたアテンザから、ディーゼルエンジン搭載で復活してきたアテンザ。

レガシィシリーズの繁栄と衰退、そして今後は2.5Lターボの復活で一気に躍進するであろうアテンザに注目して、比較記事を作成しました。

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スポーツモデルとし無類の強さを誇った歴代レガシィ

スバルにおいてブランドを象徴するイメージとしては、水平対向エンジンとAWDシステムです。

類稀なる水平対向エンジンを搭載し、低重心性を生かしたスポーツ走行に向くクルマの基本骨格は、当時のインプレッサWRX STIに代表される、モータースポーツを象徴する車づくりが魅力でした。

スバルと言えば、WRブルーのインプレッサに、金色のホイール、大型のリアウィングというイメージを持つ方も多いでしょう。

しかしその一方で、サーキットでの走りを競うインプレッサとは別に、日常領域でのスポーツ性能、すなわちGT性能において無類の人気を誇ったのがレガシィです。

そもそも、ステーションワゴンが日本で人気が出たのは、初代レガシィツーリングワゴンの爆発的ヒットが原因です。

レガシィに続く形で、各社セダンをベースにしたステーションワゴンの販売を開始しました。

スカイラインをベースとした日産のステージア、クラウンをベースとしたクラウンエステートなどが代表例です。

また、マツダ アテンザも、レガシィに対抗する形でセダンとステーションワゴン、ハッチバックボディをラインナップする、マツダのフラッグシップモデルとして登場しました。

当時のレガシィの勢いはすさまじく、スバルのイメージである水平対向エンジンとシンメトリカルAWD、2代目レガシィでは2.0Lエンジンの量産車初の280馬力達成、ビルシュタイン製ダンパーの搭載など、装備面でもライバル車を凌駕するモデルまでラインナップされました。

その後は3代目レガシィまでは5ナンバーサイズのボディを維持していましたが、4代目レガシィからボディサイズが3ナンバーサイズになりました。

4代目レガシィではボディサイズの拡大を行いながらも100kg軽量化し、スポーツモデルとしての全盛期を飾ったモデルです。

5代目レガシィからは本格的にアメリカ市場を意識したグローバルモデルとなり、上級シフトと同時にボディサイズをさらに拡大しました。

車内空間は増し、衝突安全性に関してもアメリカの基準で作られるようになり、本格的なEyeSightの普及と相まって、安全性が高まったモデルです。

最後には300馬力の新世代エンジンDITエンジンも搭載し、スバルの最新技術が惜しみなく搭載されたモデルです。

この5代目レガシィをもって、ツーリングワゴンは生産を終了しました。

その後の6代目レガシィはより上級シフトされ、ターボモデルは廃止、ボディサイズは拡大されました。

5代目までのレガシィと比べると、かなりラグジュアリー路線になっていましたが、レガシィ B4とレガシィ アウトバックだけは生産が続けられていました。

そのレガシィ B4も、7代目になると日本国内での生産は終了するそうです。

スポーツモデルとして圧倒的人気をほかったレガシィも、本格的に衰退してきました。

事実、4代目レガシィ、5代目レガシィとボディサイズが拡大されるたびに歴代ファンからはクレームがあったのは事実です。

しかし、ここまでのレガシィの急激な衰退については、ツーリングワゴンの廃止そのものの影響が大きいと思います。

スバルのミス!レヴォーグの登場でツーリングワゴン廃止

レガシィ ツーリングワゴンの廃止は、スバルにとっては痛恨の判断ミスと言えるでしょう。

そもそも、レヴォーグに引き継ぐときのイメージ戦略にミスがありました。

スバルのシャーシは、レガシィ用とインプレッサ用に分かれます。

レガシィのシャーシを用いるのは、レガシィ ツーリングワゴン、B4、アウトバック、そしてエクシーガとクロスオーバー7です。

一方、インプレッサのシャーシを用いるのは、インプレッサとXV、フォレスターなどです。

レヴォーグは、レガシィ ツーリングワゴンの後継モデルとして登場しましたが、シャーシはインプレッサがベースとなりました。

その結果、レヴォーグにはレガシィではなく、インプレッサのワゴン版と言う認識が広まってしまったのが一番のミスです。

あとは、車のクラスは、何も知らない人からすればボディサイズの大きさや、ベースとなっている車両において、ある程度直感的に判断されます。

ボディサイズの大型化したレガシィの批評を受けて小型化したレヴォーグですが、ボディサイズの縮小とインプレッサベースのレヴォーグは、スバリスト以外の一般の目には、どのように映っているのかは想像できるでしょう。

この結果、レヴォーグはレガシィ ツーリングワゴンの後継としてはちょっと力不足となり、同クラスのライバルに対して価格帯は同じなのに、車のクラスとしてのイメージとして落差が生じてしまいました。

どれだけ大柄なボディであっても、レガシィ ツーリングワゴンは存続するべきだったといえます。

レガシィとの競争で敗れたアテンザ

次に、アテンザに目を向けてみましょう。

アテンザは元々スポーツモデルだったことを覚えているでしょうか?

アテンザが元々ガチガチのスポーツセダンであったことは、多くの人が忘れていることだと思います。

それもそのはず。

アテンザのスポーツモデルは、全盛期のレガシィに対して全く歯が立たなかったからです。

初代アテンザは、セダン、ワゴン、ハッチバックがラインナップされていました。

駆動方式は基本的にFFで、直4を横置きにするノーマルなレイアウトでした。

特に、マツダスピード・アテンザが登場し、完全にレガシィをライバル視していたといえます。

マツダスピード・アテンザは、直4 2.3Lターボエンジンを搭載する4WDモデルで、トランスミッションは6速MTのみとなっていました。

マニュアル限定車となると、インプレッサWRX STIと同じです。

レガシィと同等のボディサイズに、インプレッサWRX STIに近いキャラクターを有し、さらにレガシィが2.0Lターボを主力にしているのに対し、マツダスピード・アテンザが2.3Lターボという、若干排気量の大きいエンジンを搭載したことも、完全にレガシィに挑んでいたことがわかります。

そのマツダスピード・アテンザも1代限りで消滅しました。

2代目のアテンザについてはかなり大人しくなり、3代目アテンザではデザイン面で大きく変化しました。

3代目アテンザの主力エンジンはディーゼルエンジンであり、実用域における動力性能と燃費の良さ、さらには燃料を軽油とすることによる燃料代の安さが魅力です。

ただし、このデーゼルエンジンも素直に見れば先進的なエンジンとなりますが、少し見方を変えれば、隙間産業と言えます。

ディーゼルエンジン自体、他社がそこまで目を向けていなかったからです。

アテンザは、ハイパワーのガソリンターボはレガシィに勝てず、他社が本格的に取り組んでいないディーゼルターボと言う独自の価値観で、苦しい時代を生き残ったクルマと言えます。

そんな中、レガシィの消滅は、アテンザにとってはチャンス以外の何物でもありません。

ターボ搭載で復権するマツダ アテンザ

レガシィ ツーリングワゴンが消滅し、レヴォーグとなったことはアテンザにとってチャンス以外の何物でもありませんでした。

元々アテンザはレガシの対抗馬として投入したマツダのフラッグシップモデルです。

レガシィがレヴォーグになると、インプレッサ系列の車となるため事実上の格下げになります。

ライバル車のレガシィが、自ら自滅の道を選んだも同然だからです。

それなら、レヴォーグとアテンザが同価格帯であれば、アテンザがクオリティの差を演出することで、レヴォーグに対して十分有利に販売競争を勧めることができます。

アテンザとレヴォーグを比較して、レヴォーグを選ぶ方もいますが、多くの理由としては2.0Lターボの300馬力を発揮するエンジンの存在でしょう。

でも、アテンザにガソリンターボが復活すると、状況はさらに変化するといえます。

マツダもレガシィ、さらにはフォレスターにターボが存在しない部分を狙って、先にCX-5とCX-8にガソリンターボエンジンの搭載を行いました。

この流れで行けば、アテンザにターボモデルを復活させるといえます。

すると、レガシィのターボの枠が、完全にアテンザターボの枠になってしまい、ハイパワーターボのステーションがワゴンがアテンザの1強状態となってしまいます。

あとは、レヴォーグとアテンザの間に妙な上下関係のイメージが定着してしまうので、アテンザはより上位モデルへのシフトも可能になるため、スバルの販売戦略がますます厳しいものとなっていくでしょう。

レヴォーグではレガシィの代わりにならないと判断したスバルは、今になって「レヴォーグはレヴォーグであって、レガシィではない」という見解を出しています(ディーラー談)。

しかし、時すでに遅しといったところ。

レガシィ B4とアウトバックに6気筒モデルを導入すれば、レガシィのラグジュアリー路線への変更として巻き返すチャンスはあったといえます。

水平対向6気筒 3.6Lエンジンは完全バランスを誇るエンジンである他、排気量においてクラウンをも超える大排気量エンジンとなりますから、アテンザよりも上級モデルという商品イメージも実現できたはずですが、スバルにその気は無いようです。

現状ではマツダのほうが勢いがあります。

レガシィ B4は廃止の予定。アテンザ最強の時代になるかも?

ターボの廃止、ツーリングワゴンの廃止に加え、アテンザにはさらなる追い風が吹いています。

なんと、レガシィ B4の国内生産が終了します。

レガシィシリーズは、レガシィ ツーリングワゴン、B4、アウトバックの3車種だったのが、もはや残るのはアウトバックだけ。

レガシィ B4とアウトバックに6気筒モデルを導入に関しても、もはやレガシィ B4を廃止するに至り、その可能性も限りなく0になりました。。

レガシィ B4を廃止した場合、アテンザの独壇場となるのは目に見えています。

なお、レガシィ B4はアメリカでは生産が続きます。

アメリカで生産されたレガシィ B4を需要に応じて日本国内に導入することも検討されているようなので、国内生産終了がそのまま販売終了になるわけではなさそうです。

まとめ

ここまで、歴代レガシィとアテンザの比較を通して、レガシィの発展と衰退、そしてアテンザの巻き返しを見てきました。

本当にレガシィ B4を国内販売終了し、逆にアテンザにガソリンターボモデルが登場すれば、スバルは本当に危機的状態になると思います。

車の販売に関しては、車種に対するイメージ戦略も大事ですから、ツーリングワゴンを廃止した時点である意味失敗しているといえます。

水平対向6気筒 3.6LのEZ36型エンジンを搭載すれば、ラグジュアリーモデルとして形にはなったのですが、その可能性も0です。

なんだか寂しい気はしますが、これがスバルの現状と言ったところでしょう。

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