自動車雑誌の0-100加速タイム・ゼロヨン加速タイムやサーキット周回タイムの比較が無意味な理由

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今回は、自動車雑誌における加速タイムの比較が無意味である理由を紹介します。

自動車雑誌には、

  • 0-100タイム
  • ゼロヨンタイム
  • サーキット周回タイム

などがありますが、これらはすべて参考情報程度とするべきであり、タイムのみで性能を判断すると狂います。

基本的に、誤差を含む要因があまりにも多すぎるので、そもそも再現性が皆無であり、雑誌が異なればもはや比較にすらならない点について紹介していきます。

加速タイムにまったく意味が無いとまでは言いませんが、あくまでも参考情報程度とするべきであり、少しは自分で考えないと誤った判断をしてしまう可能性があります。

参考

基本的に車の加速性能はエンジンの馬力で決まります。

加速タイムが馬力順になっているのであれば信頼できる結果ですし、大波乱なランキングになっている場合には、他の要素を考察する面白いきっかけになります。

あくまでも加速タイムは、参考程度に留めるべきですね。

車の加速性能が馬力で決まる理由を数式で解説!

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ぜひ視聴してください!

加速タイムの意味

初めに、ご存じの方も多いと思いますが、雑誌などで自動車の性能を評価する際に用いられている加速タイムの意味を紹介します。

0-100加速タイムとは?

0-100加速タイムとは、停止状態からアクセルを全開にし、何秒で100km/hに達するかを測定するものです。

日常において最も実感しやすい性能であり、高速道路における合流などでは、0-100加速タイムの短い車のほうが余裕をもって合流できることになります。

ゼロヨン加速タイムとは?

ゼロヨン加速タイムとは、停止状態からアクセルを全開しにして、400mを走り切るのに何秒かかるかを測定するものです。

タイムだけではなく、400mを通過した時の車速が掲載されることもあります。

日常においてはまず測定は不可能なタイムです。

400mの直線が必要な他、ゼロヨン測定後に十分減速できるだけのスペースも必要なので、実際の測定には400m以上の直線が必要になります。

サーキット周回タイムとは?

サーキット周回タイムは、とあるサーキットでプロドライバーが周回した際のタイムを測定しています。

日常において意味のあるタイムではありませんが、車の総合性能である走る、曲がる、止まるの総合性能を評価するために測定されたりします。

コンマ数秒の時間スケールって説明できますか?

ところで、コンマ数秒における時間スケールって何かわかりますか?

おそらく、実生活とはあまりにもかけ離れている時間スケールとなります。

例えば、コンマ数秒の世界で競争する世界として、サーバーの応答時間を気にしたことがあるでしょうか?

私自身ブログを運営しているので、自分の契約しているサーバーの応答時間を測定したりします。

そして、Googleの判断基準では、サーバーの応答時間を200ミリ秒以内に抑えましょうという指標が出ています。

現状のサーバーで200ミリ秒で応答するのはほぼ難しいので、大体600ミリ秒とかでも今のところはOKなのですが・・・

200ミリ秒といえば、0.2秒のことですね。

何が言いたいのかというと、コンマ数秒の時間スケールは、コンピューターの処理能力情報通信における時間スケールなのです。

サーバーなどのコンピューターは、一つ一つの作業はマイクロ秒単位で行います。

マイクロ秒といえば、$1×10^{-6}$秒ですから、0.000001秒オーダーですね。

こんな時間領域なんて、もはや体感することは不可能です。

つまり、サーバー全体の性能というのは、一つ一つの作業能力としてマイクロ秒単位時間差が積み重ねで生まれます。

マイクロ秒オーダーの性能差の積み重ねで、サーバー全体の応答時間として、やっとミリ秒単位の時間差が生まれてくるんです。

あまりサーバーのことを書いても意味がないと思うのでこのあたりにしておきますが、知ってほしいこととしては、ミリ秒単位の時間差というのは、

  • サーバーなどのコンピューターの処理能力
  • 情報通信

のスケールであるということです。

加速タイムのコンマ数秒の時間差に意味はない

自動車雑誌を眺めていると、コンマ数秒の性能差を取り上げて、あたかも僅差で優れているような紹介をしていますが、本当にコンマ数秒の差に意味があるでしょうか?

先ほども書きましたが、0.1秒はコンピューターの処理能力のスケールです。

今となっては人よりもコンピューターのほうが計算量は多いにもかかわらず、ブレーキを離す、アクセルを踏む等の人の操作が加わるような自動車の加速タイムで、0.1秒単位での加速性能の評価に意味が無いというのが正しい判断でしょう。

具体的な誤差要因としては、測定開始のタイミングとして、

  1. スタートの合図があった瞬間
  2. ブレーキを離そうと思った瞬間
  3. ブレーキを離す動作を始めた瞬間
  4. ブレーキを離した瞬間
  5. アクセルに足が乗った瞬間
  6. アクセルを踏み始めた瞬間
  7. アクセルが踏み込まれた瞬間
  8. 車が動き出した瞬間

これだけの測定タイミングがあるわけなので、余裕で1秒ぐらいの誤差は生じます。

もっと嫌らしい考えをすれば、0.1秒はコンピューターのスケールなわけですから、

  1. アクセルを踏み込む
  2. コンピューターがアクセル開度を認識する
  3. コンピューターが車の状態を認識する
  4. 総合判断してスロットル開度と燃料噴射量を判定する

これでも0.1秒は余裕で差があります。

正直、細かいところまで見ていけば、もう笑うしかないんですよね・・・

よって、測定誤差があまりにも多すぎるので、0.1秒単位での加速タイムに意味はありません。

おおよそ参考程度の情報として、4秒前後、5秒台、6秒後半などといった、秒単位のオーダーとして認識するのが妥当なラインです。

加速タイムだけを取り上げて車の性能の優劣を決定するには、あまりにも懸念される事項が多すぎます。

エンジンの外的要因におけるコンディション

エンジン自体のコンディションの影響もうけます。

エンジンにおけるコンディションとは、

  • 走行距離
  • 外気温や湿度

ですね。

さすがに走行距離に関してはメーカー側も最適なタイミングで用意するでしょうから、差がないと仮定しましょう。

しかし、外気温や湿度の影響は大きく受けます。

夏に弱いターボ車

特にターボ車の場合は影響を受けますね。

ターボ車の場合、タービンからエンジンに供給される空気の冷却性能が大きく影響してきます。

理由としては、空気を急速に圧縮すると、温度が上昇し、思ったほどは酸素の密度が高くないからです。

これをインタークーラーで冷却して酸素濃度を高め、エンジンに送ることになります。

真夏であれば冷却は十分に行えないので、ターボ車全般にエンジン性能はフルに発揮できないでしょう。

一方、秋や冬にかけてであれば、外気温も低くなってきます。

その時には冷却効果を十分に発揮できるわけですから、ターボ車に有利な条件となります。

サーキット周回タイムにおける懸念事項

サーキット周回時における秒単位の比較の意味のなさ

これに関しては、説明するまでもない気がするのですが、0-100加速という秒単位でのタイムに関して0.1秒の差が意味が無いことを説明しました。

サーキットの周回タイムとなれば、分単位での比較となるわけですから、数秒の差の誤差率でみれば無視できます。

大規模な測定になるほど細かい条件の差が積み重なってきますので、数秒単位でのサーキット周回の優劣は、再現性が低いことになります。

サーキット周回時の限界性能における過小評価

サーキットの周回タイムを比較する場合には、限界性能が過小評価されるという問題があります。

一応プロドライバーが運転して周回しているので、一般人が運転するよりも正確なデータは測定できるとは思いますが、プロドライバーが車の本来の性能を100%発揮できているのかというと、かなり怪しいと思います。

仮にすべての車がフロントエンジンであり、駆動方式に着目すれば車の走る、曲がる、止まるの総合判断では、一般的に、

AWD>FR>FF

となります。

例えば、FRでレースに出ていたプロドライバーが、突然AWDに乗って、限界性能を100%発揮できるかといえば無理です。

FRに乗っているプロドライバーがテストをした場合、FRに有利な結果が出ます。

  • AWDの場合には旋回時に限界性能まで発揮できていないという誤差
  • FFの場合には過小評価される誤差

が常にあります。

よって、サーキット周回タイムに関しても参考程度に見るべきであって、タイムがすべてと思い込むのはあまりにも短絡的です。

まとめ

ここまで、自動車雑誌における車の加速タイムの比較が無意味であることについて説明を行ってきました。

この記事の内容をまとめれば、

  • 0.1秒はコンピューター&情報通信における時間スケール
  • 測定時における数秒単位での測定誤差
  • 外的要因におけるエンジンのコンディション
  • サーキット周回時の限界性能の把握に関する過小評価

といえます。

0.1秒というのはコンピューターにおける時間スケールなので、自動車に当てはめることがそもそもナンセンスです。

0.1秒の加速性能差まで比較したいのであれば、測定時の誤差に加え、測定におけるコンピューター類の誤差まで補正しなければ、価値のない値になります。

よって、数秒代などの秒単位のオーダーで比較する程度にとどめましょう。

外的要因におけるコンディションの差は常にあります。

ターボ車の場合には、夏は不利に、冬は有利になります。

サーキット周回時における限界性能の過小評価は、もうどうすることもできないです。

サーキットの周回となれば分単位のオーダーとなります。

物理の有効桁の考え方と似ているのですが、分単位のオーダーにおける1秒、0.1秒の差の信頼性を考えていただければわかると思います。

最後になりましたが、自動車雑誌を見て様々な情報を収集してご自身で考えることは楽しいことです。

しかし、鵜呑みにするのではなく、少しは自分で考えてみることを実践すれば、違ったものの見え方があるのではないでしょうか?

以上、自動車雑誌における加速タイムの比較が無意味な理由について、参考になれば幸いです。

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