JRで唯一残っている寝台特急である、サンライズ瀬戸・出雲に乗車しました。
サンライズ瀬戸・出雲は個室を備えた寝台特急で、のびのび座席という寝台料金なしで乗れる座席も用意されています。
東京、大阪、岡山、出雲市、高松を結ぶ寝台特急であり、東京方面の上り列車に関しては大阪駅からも乗車できます。
今回は、サンライズツインに乗車しました。
目次
サンライズ瀬戸・出雲とは?
サンライズ瀬戸・出雲は、日本で残る唯一の寝台特急であり、東京、大阪、岡山、高松、出雲市を結んでいます。
サンライズで使用される285系電車は、かなり老朽化もあるようで、次の寝台車は新造せずに、この285系限りで消滅する可能性も出ているようです。
本当に最後の寝台特急になる可能性のある、サンライズ瀬戸・出雲の285系電車をレポートします。
なお、この記事ではサンライズ瀬戸/サンライズ出雲の全体像を紹介するだけでかなりのボリュームになったので、サンライズ瀬戸/サンライズ出雲の詳細の乗車体験記は、次の記事に回します。
この記事では、サンライズ瀬戸/サンライズ出雲のすべてがわかるような形で、車内の様子をまとめます。
サンライズ瀬戸/サンライズ出雲の大阪駅入線動画
サンライズ瀬戸/サンライズ出雲の大阪駅入線動画を撮影しました。
大阪駅では乗務員の交代があり、停車時間は2分ほどで設定されています。
ということで、乗る前に動画を撮影することも一応は可能です。
サンライズ瀬戸・出雲とは?
サンライズ瀬戸・出雲は、東京から高松と出雲市を結んでいる寝台特急です。
東京駅から名古屋駅、米原駅、大阪駅、神戸駅と、東海道線を走り、神戸駅から先は岡山まで山陽本線を走ります。
岡山駅ではサンライズ瀬戸とサンライズ出雲に切り離します。
サンライズ瀬戸は、瀬戸大橋を渡り、宇野線、本四備讃線を走り、終点の高松駅まで走ります。
サンライズ出雲は、岡山駅から先、伯備線、山陰本線を走り、終点の出雲市まで走ります。
走っている経路から造像できることなのですが、基本的に東京から高松や出雲大社への観光客をメインに考えている寝台特急です。
しかし、後述の停車駅の関係上から、上りの東京行きに関しては、大阪~東京間のビジネス利用も考慮して、ダイヤ設定が行われているようです。
サンライズ瀬戸/サンライズ出雲の停車駅
サンライズ瀬戸、サンライズ出雲については、停車駅が上りと下りで異なります。
東京~大阪と言った一部区間を利用する場合、大阪から東京には活けるけど、東京から大阪には乗れないと覚えておいてください。
★サンライズ瀬戸 東京行(上り)の停車駅
高松、坂で、児島、岡山(サンライズ出雲と連結)、姫路、三ノ宮、大阪、(浜松には停車しない)、静岡、富士、沼津、熱海、横浜、東京
★サンライズ出雲 東京行(上り)の停車駅
出雲市、宍道、松江、安来、米子、新見、備中高梁、倉敷、岡山(サンライズ瀬戸と連結)、姫路、三ノ宮、大阪、静岡、(浜松には停車しない)、富士、沼津、熱海、横浜、東京
★サンライズ瀬戸 高松行(下り)の停車駅
東京、横浜、熱海、沼津、富士、静岡、浜松、(大阪には停車しない)、姫路、岡山(サンライズ出雲と切り離し)、児島、坂出、高松
★サンライズ出雲 出雲市行(下り)の停車駅
東京、横浜、熱海、沼津、富士、静岡、浜松、(大阪には停車しない)、姫路、岡山(サンライズ瀬戸と切り離し)、倉敷、備中高梁、新見、米子、安来、松江、宍道、出雲市
サンライズ瀬戸/サンライズ出雲の寝台料金
サンライズ瀬戸/サンライズ出雲は、寝台特急なので、寝台料金が必要です。
のびのび座席については、特急料金のみで乗車可能であり、寝台料金は発生しません。
名称 | 寝台料金 |
A寝台 シングルDX | 13,730円 |
B寝台 シングルツイン | 9,430円 ※1室1名利用時 |
B寝台 シングル | 7,560円 |
B寝台ソロ | 6,480円 |
B寝台 サンライズツイン | 15,120円 ※1名での利用不可 |
B寝台 シングルツイン | 14,830円 ※1室2名利用時の合計 |
のびのび座席 (厳密には指定席料金) |
520円 |
★サンライズに1人で乗る場合
1人で乗るのであれば、シングルデラックス、シングルツイン、シングル、ソロから選べます。
乗車中に様々な部屋を見ましたが、1人利用の場合にシングルツインを利用する意味はあまりないかと思います。
補助ベッドがあり狭いうえに、シングルより高額な寝台料金となります。
ソロについては、知らない人との2段ベッドになるので、上の階のほうがいいでしょうか。
2段ベッドそれぞれが簡易的な個室になっており、ドアには鍵を変えることができるので、プライベートと安全は確保されています。
価格と実際のお部屋の状態を見た場合、一番コストパフォーマンスが高いのはシングルルームではないでしょうか。
★サンライズに2人で乗る場合
サンライズに2人で乗る場合、一番お得に個室を利用できるのがソロを2部屋確保する方法です。
2名部屋がいい場合に一番お得なのがシングルツインの2名利用です。
1室に2段ベッドがあるので、室内での会話も可能です。
2名で14,830円なので、1人当たり7,415円となります。
1000円プラスして利用できるのがサンライズツインです。
正直なところ、シングルツインとサンライズツインを実際に見た場合、サンライズツインの方が1000円高の設定を考慮しても快適性は良いでしょう。
2名の個室を利用するのであれば、サンライズツインを希望してみてください。
今回はサンライズツインを2名で利用しました。
大阪→東京のサンライズツイン2名利用で、価格は2名で38,440円でした。
内訳 | 金額(2名分) |
寝台料金 | 15,120円 (サンライズツイン) |
特急料金 | 5,820円 |
運賃 (在来線用切符) |
8,750円×2 |
合計 | 38,440円 |
1名当たりの価格で見ると、14,220円となります。
正直新幹線より高いですが、観光で利用する場合には、東京に朝7時に到着してすぐに遊べるのはメリットでしょう。
以下、新幹線と比較してみます。
サンライズ瀬戸/サンライズ出雲は最も早い時間に東京駅に到着する公共交通機関
実は、鉄道と飛行機だけで見た場合、サンライズ瀬戸/サンライズ出雲は、大阪kを出発する場合、最も早い時間に東京駅に到着する乗り物と言うことになります。
サンライズと始発の新幹線、飛行機の、東京駅への到着時間を比較してみました。
列車種別 | 大阪発車時間 | 東京到着時間 |
のぞみ200号 | 新大阪駅 6:00 |
東京駅 8:23 |
全日空NH3820 | 関西空港 6:30 |
羽田空港 7:40 |
日本航空JL102 | 大阪空港 7:05 |
羽田空港 8:15 |
サンライズ瀬戸 サンライズ出雲 |
大阪駅 0:34 |
東京駅 7:08 ※到着時刻が最も早い |
この表から見ると、新大阪を6:00に発車するのぞみ200号よりも早く東京に到着します。
なお、新幹線は騒音規制の観点から、始発電車は6時以降と定められています。
これにより、既存の新幹線において、サンライズとの1時間半の到着時刻の差を埋めることはほぼ不可能になっています。
したがって、大阪から電車に乗って、何が何でも誰よりも早く東京駅に到着したいなら、サンライズ瀬戸/サンライズ出雲と言うことになります。
サンライズ瀬戸/サンライズ出雲の個室の紹介
★B寝台 ソロ:寝台料金6,480円
1人用個室で最も小さいお部屋がソロになります。
ソロの基本的な条件としては、
・寝台料金がかかる
・テーブルがない
・個室に見えて2段ベッド
・上段下段のベッドは仕切られており、ドアには鍵を掛けれる
・電動車になる
ソロは、3号車と10号車になります。
では、ソロの写真をご覧ください。
こちらは下段ベッドの写真です。
ベッドの厚みはこのような感じ。
室内を見ると、テーブルがありません。
したがって、パソコン作業をするのは難しいでしょう。
また、上段ベッドへの階段があり、この部分がベッドのスペースを圧迫しています。
こちらは上段ベッドです。
階段を上ったところにあります。
ソロの上段ベッドです。
あと、ソロの欠点としては、車両が電動車になることです。
電動車とは、駆動用のモーターを搭載している車両のことであり、走行中はモーターの唸り音が聞こえます。
ゴーという低音なので、騒音を気にしない人でないと寝にくいかもしれませんね。
★B寝台 シングル:寝台料金7,560円
個室でしっかりと一人用個室になっているのが、シングルです。
シングルの基本的な条件としては、
・寝台料金がかかる
・テーブルがある
・ちゃんと個室になっている
・ドアには鍵を掛けれる
・付随車になる可能性がある
シングルは、1号車、2号車、5号車、6号車、7号車、8号車、9号車、12号車、13号車、14号車になります。
赤字で書いた5号車と12号車は電動車になります。
付随車の場合には、モーター音は聞こえません。
しかし、無音と言うわけではなく、レースが擦れる「シャー」という高音は聞こえます。
一般的には電動車よりも静かと言われていますが、無音と言うわけではないので注意してください。
電動車、付随車の希望がある場合には、みどりの窓口で希望してください。
シングルは、1号車、2号車、8号車、9号車になります。
シングルルームの場合には、車両が2階建て車両となっているので、ベッドが階段によって圧迫されることもありません。
テーブルもあるので、パソコン作業も出来ます。
必ずしも広いお部屋ではないですが、乗車時間中であれば快適に過ごすことができるでしょう。
★B寝台 シングルツイン:
寝台料金1名9430円, 2名14,830円
シングルツインの基本情報は、
・寝台料金がかかる
・テーブルがない
・2段ベッド
・定員は2人(1人でも利用可能)
・付随車になる
シングルツインは、1号車、2号車、6号車、7号車、8号車、9号車、13号車、14号車にあります。
2段ベッドとなっており、個室内で会話を楽しむこともできます。
テーブルはありませんので、パソコン作業は難しいです。
ソロの2段ベッドがまとめて一部屋になったイメージでいいでしょう。
★B寝台 サンライズツイン:寝台料金2名15,120円
サンライズツインの基本情報は、
・寝台料金がかかる
・テーブルがない
・唯一のツインルーム
・定員は2人(1人では利用不可)
・付随車になる
・一編成に4つしかない(禁煙2室、喫煙2室)
唯一のマトモなツインルームとなるサンライズツインは、1編成に4室しかありません。
そのうち、禁煙が2室、喫煙が2室となります。
サンライズ瀬戸、サンライズ出雲のそれぞれで4室ずつとなるので、東京~岡山では8室(禁煙4室、喫煙4室)と言うことになります。
サンライズツインの最大の難点は、あまりの部屋数の少なさに、予約を取るのが難しいことでしょう。
サンライズツインは11号車の1階部分にあります。
ちなみに11号車の2階部分には、後述のA寝台であるシングルデラックスがあります。
ツインルームとなっており、複数人での移動空間としては最もベストなレイアウトになっています。
余った空間を利用して物置が設置されているので、2人利用で荷物が多くても、それなりに広く使えるお部屋です。
★のびのび座席:指定席特急料金520円
のびのびの基本的な条件としては、
・寝台料金不要
・カーテンの仕切りだけ
・電動車になる
寝台料金は不要で、指定席特急券のみで乗ることができるのがのびのび座席です。
さすがに利用している方が多かったので写真は撮れませんでした。
JRおでかけネットより拝借した画像を掲載します。
★A寝台シングルデラックス:寝台料金13,730円
シングルdデラックスの基本情報は、
・寝台料金がかかる
・A寝台専用のシャワールームあり
・付随車になる
唯一のA寝台となるシングルデラックスは、4号車と11号車にあります。
ちょうどサンライズツインの真上になるお部屋で、広さのイメージとしては、サンライズツインが4つ並ぶ真上に、シングルデラックスが6つ並ぶ感じ。
表現が難しいですが、サンライズツインの2/3の広さをシングルで使うことになります。
こちらも写真を撮りたかったのですが、どの部屋も入ることができませんでした。
どうやらシングルデラックスについては、空室であっても施錠しているようです。
仕方がないので、シングルデラックスのお部屋の写真は、JRおでかけネットから拝借します。
シングルデラックス専用のシャワールームには入ることができたので紹介します。
A寝台専用のシャワールームの入り口には、車掌から配られたシャワーカード以外は利用できない書かれています。
何か特別な仕掛けがあるのかと思いきや、他のシャワールームと同じでした。
違う点としては、A寝台専用のカードしか使えないということだけです。
シャワールームの全体像がこちらです。
1編成にA寝台は6人しか定員がないので、不特定多数が利用している一般のシャワールームと比べると、清潔感は保たれているのでしょう。
サンライズ瀬戸/サンライズ出雲の共用スペースの紹介
次に、サンライズ瀬戸/サンライズ出雲の共用スペースを紹介します。
★シャワールーム
シャワールームを利用するには、シャワーカードを購入する必要があります。
シャワーカードは1枚320円です。
一人一枚限りとなっていますが、厳密にはカウントしていないようです。
シャワールームを開けて、左手にある機械の中にシャワーカードを入れるようです。
シャワールームの全体写真です。
使用後は自動で温風乾燥されるので、衛生面は保っているようです。
なお、シャワーカードは規定枚数を販売すると売り切れとなります。
今回はサンライズ瀬戸とサンライズ出雲で一枚ずつシャワーカードを購入しました。
(※サンライズツインを2名で利用しているので、購入枚数において問題はないです。)
すると、ちょうどサンライズ出雲のシャワーカードは売り切れになりました。
シャワーを利用したい場合、たとえ売り切れであっても、出雲あるいは瀬戸の券売機に行くことで入手できる可能性はあります。
なお、今回購入した2枚のシャワーカードは使わずに記念に保存しておくことにしました。
★ラウンジ
サンライズ瀬戸/出雲には、共有のラウンジがあります。
コンセントもあるので、スマートフォンの充電もできます。
海を見ながら、夕焼けを見ながら、朝日を見ながら、長距離の列車旅を楽しむことができる空間です。
★トイレと洗面所
トイレと洗面所は、それぞれの号車に備え付けられています。
トイレの数は場所によって1個だったり2個だったりします。
洗面所はこのような感じで廊下に面していて、新幹線と同じような感じです。
トイレについてはすべて洋式でした。
また、ウォッシュレットは装備されていません。
★自動販売機
車内には自動販売機があります。
缶のコーラが130円、小さい綾鷹のペットボトルが130円なので、そこまで割高と言うわけでもないような・・・?
自動販売機はあっても種類が少ないので、事前の購入をお勧めします。
特に、車内でアルコール類を販売している自動販売機は見当たりませんでした。
サンライズ瀬戸/サンライズ出雲の大阪以降の主要駅通過時間と乗務員交代駅
サンライズ瀬戸/サンライズ出雲の大阪以降の主要駅の通過時間と乗務員の交代駅と、その時間について記録したので紹介します。
※赤字は乗務員交代
JR西日本
大阪駅:0時34分
米原駅:1時41分(JR東海へ引継ぎ)
↓米原駅の写真(ホームしか映ってない・・・)
JR東海
米原駅:1時41分
名古屋:2時34分に通過
厚田駅停車(貨物列車とのすれ違い?):2時38分
三河安城:2時52分
浜松:3時44分
静岡:4時37分
熱海:5時45分(JR東日本へ引継ぎ)
↓静岡駅の写真(案内表示にサンライズ瀬戸/出雲 4:40が見えます。)
この時間になると、ホーム上で始発を待っている方も少しいました。
JR東日本
熱海:5時45分
横浜:6時45分
東京:7時8分
↓JR東日本の区間になると夜も明けてきます。
まとめ
ここまで、日本で唯一の寝台列車である、サンライズ瀬戸/サンライズ出雲について紹介してきました。
新幹線なら2時間半で移動できる東京大阪間ですが、実際には始発の飛行機を意識して、サンライズは運転されています。
1名利用ならシングルまたはシングルDX。
2名で利用するなら、サンライズツインがいいでしょう。
なお、ボリュームが大きくなりすぎたので本文中では割愛していますが、米原~大垣間はかなり横揺れが激しかったです。
カーブの連続と加減速も激しい区間なので、ちょっと酔いそうになるような揺れでした。
サンライズ瀬戸/サンライズ出雲でぐっすりと寝たいなら、揺れが激しくなる米原~大垣間になる前に、さっさと寝てしまうのがいいかもしれません。